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今こそ憲法第25条の実現を!(加藤美代弁護士)

弁護士 加藤 美代

新型コロナウイルス感染流行の被害、7月集中豪雨の被害に苦しんでおられる皆様にお見舞い申し上げます。

当事務所も創立以来、初めて営業時間の短縮や在宅勤務などの対策に取り組みました。現在も、相談室へのアクリル板の設置、所内の消毒、所員のマスクの着用などの感染防止策を徹底しています。

さて政府は、5月末に緊急事態宣言を早々に解除しました。その後全国各地で次々と緊急事態宣言時を上回る感染者が報告されているにもかかわらず、感染拡大防止策はきわめて不十分です。それどころか、大切な税金をたくさん使った「GoToキャンペーン」など、感染拡大につながる施策を前倒しで実施しています。

憲法第25条は、1項で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と国民の生存権を保障し、その2項で「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と国の責務を明記しています。

ところが、この間政府は医療費抑制を旗印に病院の統廃合を進め、行政改革と称して保健所の統廃合や職員削減を進めてきました。そうした状況下でも、日本の医療は、そこに携わる人々の献身的な努力によって、かろうじて支えられていたことが、コロナ禍のなかで明らかになりました。憲法第25条に定められた責務を、国が果たしていないのです。

政府に、医療、仕事、教育、生活という国民の生存に関わる対策を求めることは、国民の権利です。それに応じない政府はとりかえることも。皆さん、今こそ日本国憲法の実現を求めて一緒に進みましょう。

この記事の担当者

加藤 美代
加藤 美代
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