その他個人の相談

犯罪被害者給付金訴訟 ー同性パートナーの遺族に対してー(浦野智文弁護士)

浦野 智文弁護士

犯罪被害給付制度とは

犯罪被害給付制度とは、殺人などの故意の犯罪の被害に遭って亡くなられた方の遺族などに対し、国が給付金を支給する制度です。

同性パートナーへの不支給

原告は、20年以上も一緒に生活した同性のパートナー(被害者)が殺害されてしまいました。
この制度で国から給付金の支給を受けられる遺族の範囲として「配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む)」と規定されています。原告は、被害者にとって、「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」であるとして、給付金の支給を申請しました。ところが、これに該当しないとして、不支給とされてしまいました。

少数者を守らない不当な判決

原告は不支給の判断を覆すため2018年7月に名古屋地裁に提訴しましたが、2020年6月4日、名古屋地裁民事9部(角谷昌毅裁判長)は、原告の請求を棄却しました。その理由は、「同性間の共同生活関係が婚姻関係と同視し得るものであるとの社会通念が形成されていない」というものでした。この判決は、少数者の権利を守るべき立場に立つ司法権が、「社会通念」という多数者から認められていないことを理由に、少数者の権利が保護されないとしている点で、憲法の理念をないがしろにした極めて不当な判断と言わざるを得ません。司法権の役割に真っ向から反するものであり、到底看過できるものではありません。
これからも精一杯、この裁判に取り組んでいく所存です。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

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