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事件報告 生活保護の障害者加算の遡及支給を求める審査請求が認容されました

 生活保護受給者が障害者加算を受けられる身体の状態にあるにもかかわらず、自治体がその調査検討と認定を怠り障害者加算の支給をしていなかった事件について、2025年1月24日、名古屋高裁は不支給分相当の国家賠償を命じる判決を下しました。
 このたび、このケースと同様に、2021年1月の時点で肺気腫による在宅酸素療法が開始され、同年2月にはそのことを自治体に報告し、身体障害者福祉法別表3級相当の障害として障害者加算の認定を受けられる状態になったにも関わらず、自治体が調査検討を怠り、2024年5月まで障害者加算を受けられなかった依頼者の方について、「遡って障害者加算を支給すべきである」として審査請求手続を行いました。
 そして、審査請求に対する裁決では、障害者加算を適時に認定していなかったということは最低生活費の認定が適正に行われていなかったことになり、約3年間にわたり身体障害者手帳の取得に関する指導または調査を何ら行わなかったことについて、処分庁にやむを得ない事情はなく、保護の実施期間として行うべき事務を怠ったと判断され、2024年5月以降の障害者加算しか認めなかった原処分が取り消されました。
 その後、依頼者の方に対しては39か月分の障害者加算が遡及支給され、無事に、本来あるべき最低生活費を取り戻すことがかないました。
 生活保護制度の複雑さから、こうした支給漏れが発生することはあり得ます。今後も注意深く制度の適正な運用を見守っていきたいと思います。

この記事の担当者

金井 英人
金井 英人
法曹を志してから弁護士になるまで、人よりだいぶ長い時間がかかってしまいました。私の二十代は挫折の繰り返しでしたが、そうした中で感じた不安や心細さ等の経験を、少しでも皆様の安心のために役立てることができればと思います。

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