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弁護士金井英人が取材を受けました

 弁護士金井英人が取材を受け、コメントが東京新聞のWeb記事『キラキラネームに制限がかかる? 戸籍法に読み仮名登録を検討…個人データ管理したい政府の思惑が背景に(2021/9/10)』に掲載されました。

 以下、記事全文です。

 戸籍に記載されている名前といえば今は漢字だけ。しかし、今後は読み仮名も登録することになりそうだ。戸籍をデジタル化する流れの中で、法相の諮問機関が検討を始めるのだ。問題になるのが、独特の読みをする「キラキラネーム」。どこまで認めるか議論される。結論によっては一部のキラキラネームが使えなくなる。そんな規制は必要なのか。 (荒井六貴むつたか

◆銀行口座や住民基本台帳とのひも付けを容易に

 「戸籍法に読み仮名の規定はない。見直しに向けたさらなる具体的な検討のため、諮問することにした」。上川陽子法相は7日の記者会見でそう話し、法相の諮問機関の法制審議会に諮ることを明らかにした。 

 戸籍法によると、名前は「常用平易な文字」で、漢字か平仮名、片仮名を使う。使える漢字には2999字が指定されている。ただ戸籍に読み仮名は不要。出生届には読みを記入する欄があるが、戸籍には反映されない。 

 長年、これでやってきたのに、なぜ今、議論が持ち上がるのか。背景には個人データを管理しやすくしたいという政府の思惑がある。たくさんある漢字より、数が少ないひらがな、カタカナの方がデータの管理は楽。銀行口座や住民基本台帳にも読み仮名が書かれており、戸籍とひも付けしやすくなる。

◆ひろと、たいが、そら…「大翔」の読み方18通り

 そして、これまでの議論の中で、キラキラネームの扱いも論点になった。漢字本来の読みと懸け離れた名前があるからだ。赤ちゃんの名前を紹介するサイトを見ると、「宝冠」「出誕」「紅多」「亘利翔」「稀星」と名前が並んでいた。いくつ読めましたか? 答えは順に(てぃあら)(でるた)(べーた)(ぎりしゃ)(きらら)だった。 

 同じ漢字でも読み方はさまざま。東京理科大の荻原おぎはら祐二・教養教育研究院助教が2004年から18年に生まれた新生児の名前約8000件を分析した。「大翔」の読みは「ひろと」「たいが」「そら」など18もあった。荻原さんは「近年、新生児の名前を正確に読むことの難しさが指摘されていた。現実の名前を分析して実証できた。漢字だけでは個人の特定が難しいことも示している」と語る。 こんな状況を踏まえつつ名前についての議論が進んでおり、これまでに①公序良俗に反しない②音訓や漢字の表す意味との関連性―を基準とする案が上がっている。キラキラネームは②に引っかかる。 

 例えば「海」という名前。「まりん」という読みなら、海の英語読みということで認められる可能性が高い。「りく」ならば、かなり微妙だ。法務省民事第1課の担当者は「法制審でどこまで制限を設けるのか議論される。抽象的な基準を示すような形になるのではないか」と説明する。

◆「役所の管理のため」に識者は批判的

 とはいえ自由だった読み方を規制するのはどうか。荻原さんは「家庭裁判所の手続きが必要な名前の表記とは異なり、非常に個性的な名前だったり、性自認の関係だったりで、名前の読みは比較的、自由に変更できた。それが難しくなっていくのでは」と危惧する。 

 子どもの権利に詳しい金井英人ひでひと弁護士は「名前は人格権の中心的事項。子どもの福祉への配慮が必要だ」と語る。読み方にも一定の目安は必要という考えで、親の気持ちを考えつつ、具体的なルールを設ける必要があるという。だが、事務の効率化という国の狙いには批判的だ。「個人の管理が進む。自分も『ひでと』とも読めるから、読み仮名が付けば、より特定できるようになる。マイナンバーでさえ抵抗があるのに」 

 ペンネームで活動しているコラムニストの辛酸なめ子さんは「役所の管理のためというのは納得いかない。何でもひも付けられていってしまうのは不安。読みが難しいと学校生活で苦労するかもしれない。それでも、名前ぐらい自由にさせてもらいたい」と訴えた。

以下、掲載サイト(東京新聞 TOKYO Web)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/130109

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