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友の会総会特集 「新聞記者~報道の責任と菅政権~」(第39回 名古屋法律事務所友の会総会 記念講演会 講師 望月衣塑子さん )

第1部●友の会総会

4月10日、ウインクあいちで第39回名古屋法律事務所友の会総会を開催しました。記念講演では、東京新聞記者の望月衣塑子さんに「新聞記者~報道の責任と菅政権~」と題して、記者の日から見た菅政権の危険性や問題点を掘り下げて語っていただきました。

第1部 友の会総会

大井丈二・友の会副会長の司会で開会。昨年2月に逝去した下村伸一郎・友の会副会長へ黙祷をささげました。牧野浩会長のあいさつに続き、名古屋法律事務所の報告と弁護士、なごや経理の税理士の紹介。新人弁護士と新人事務局員が登壇し、紹介とあいさつがありました。
その後、友の会の2年分の活動総括と次年度方針が報告・提案され、出席した皆さんの拍手をもって全て採択されました。最後に新三役が紹介され第1部は終了しました。

第2部 記念講演

木村美知・友の会幹事が司会。松本篤周弁護士のユーモアあふれる講師紹介に続いて記念講演が行われました。

(友の会幹事・鈴木孝昌)

第2部●記念講演

■半生を綴った『新聞記者』を原案とした映画「新聞記者」は、 「萎縮しているのではなく、問題意識を提供できる映画を」という映画人の思いで作られた勇気ある映画。取材・密着インタビューを受けて作られた「i新聞記者ドキュメント」。2本とも是非見て欲しい。無党派層や学生に観てもらい、ちょっとでも考えてもらうきっかけになればと思う。

■「女性の会議は時間がかかる」旨の発言の森喜朗氏(前・オリンピック組織委会長)。女性理事4割に向けた改革案に対し、本音は反対とのバックグラウンドがある。発言撤回・謝罪会見では被害者意識と言い訳に終始。火に油を注ぐ結果となる。IOCが批判声明、NBCも痛烈な批判。国内でももの凄い怒りの声があがった。森発言が容認される今の社会や政治状況を変えたいとの思い。個人の問題に矮小化せず、社会全体の問題と捉え、流れを変える契機になった。

■菅首相の長男による総務省幹部ら接待。「文春砲」で明らかとなることに、現在の権力とメディアの問題を考えさせられる。接待を受けた山田真貴子広報官について、菅首相が「女性の広報官として期待しているのでそのまま専念してほしい」と発言したが、不正義をしたにもかかわらず「女性」を理由に続投要請とは。「飲み会を断らない。出会うチャンスを愚直に広げて」とは、働き方改革、男女共同参画推進社会においては時代遅れ。NTT接待も「文春砲」により明るみになった菅政権下においてあからさまな利権政治が続いている。
昨年3月、菅官房長官(当時)に「オリンピックまでにコロナ禍終息の見通しがあるのか。」「科学的根拠があるのか」質問した。「完全な形で開催する」 「今まで全て専門家の考えを参考に決定している」との回答だった。

■欧州と比較し、全く足りない休業補償。雇用調整助成金は相談件数のうち受給決定はわずか1%。直接労働者が請求する休業支援金の適用は1割に過ぎない。
菅首相は 「GoToトラベル・ イート」に固執。収束の見えない中、前倒しでこれを実施。夏休みに第2波ピーク。それでも見直しをせず、尾身茂会長(感染症対策分科会)が、11月20日に「早急に見虹しを。政府の英断を心からのお願い」。しかし菅首相の無策とGoToで感染拡大を増長。それでもGoToだけは止めないといっていた。

■2月11日のニコニコ動画会見。「皆さんこんにちは。ガースーです」と。支持率急落。科学的な指摘も医師の意見もメディアからの批判も受け付けず、GoToに固執していた菅首相がついに一時停止とした。世論の声がいかに重要かということ。

■安倍前首相の辞任にあたっては、健康不安の意図的リークがあった。普通、政府首脳の健康不安は隠すもの。若い記者などから出始めていた安倍氏への厳しい追及もトーンダウンしてしまい、官邸演出による辞任への花道が作られてしまった。「お疲れ様」と支持率20%上昇。

■菅政権が目指すのは、弱肉強食加速社会。デービッド・アトキンソン(イギリス人経営者)の登用には経産省ですら困惑している。
裁判所は森友問題の赤木ファイルの提出を求めている。これにより改ざん指示は、首相答弁を契機にしたものであることが明らかになる。

■記者としての私のテーマは、「権力側が隠そうとすることを明るみに出すこと」。質問妨害に対する皆さんからの抗議は力になる。記者と市民が一体となった。一人一人の力は微力でも、無力ではない。

望月衣塑子さん プロフィール
1998年中日新聞社入社。その後、東京新間記者。支局勤務、経済部などを経たのち、社会部遊軍記者へ。2017年、平和·協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞。2019年度「税を追う」取材チ ムでJCJ大賞受賞。同年、著書「新聞記者」を原案とした映画「新聞記者」が公開。二児の母。

この記事の担当者

兼松 洋子
兼松 洋子
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