成年後見

どのようなことでお悩みですか?

  1. 「認知症になった場合誰に頼ればいいのだろう・・・」
  2. 「自分にもしものことがあった場合に備えて財産を託すにはどうすればいいですか」
  3. 「認知症になっている親の財産を他の家族が使い込んでいるのを止めさせたい」
  4. 「独り暮らしの親の認知症がひどく、親の資産を売って介護サービスを受けたい」

後見制度とは

認知症や事故等で、意思表示ができなくなったり、財産管理が危うくなったりすることがあります。

また、悪徳商法の被害にあったり、親族や知人に財産を使い込まれてしまったりと、思いがけないトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。そこで、後見制度を使うことにより、親族や弁護士などが本人の代わりに契約をしたり、トラブルから本人を守ったりすることができます。

1 後見制度の種類

後見には、大きく分けて、判断能力のあるときに将来に備えて予め契約しておく任意後見と、判断能力がなくなったときもしくは不十分になったときに裁判所が後見人を選任する法定後見があります。さらに、法定後見には、判断能力の程度によって、後見、保佐、補助の3種類の制度があります。

法 定 後 見 任意後見
後見 保佐 補助
対象となる人 判断能力が欠けているのが通常の状態の人 (基本的には本人が一人で色々な手続きをすることはできない方) 判断能力が著しく不十分な人 (基本的に本人が一人で色々な手続きをできるが、重要な取引には援助が必要な方) 判断能力が不十分な人 (基本的に本人が一人で色々な手続きをできるが、時々援助がないと心配な部分がある方) 契約時に判断能力がある人 (後見を始めるのは判断能力が衰えてから)
申立をすることができる人 本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、任意後見人、市町村長 本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、任意後見人、市町村長 本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、任意後見人、市町村長 本人と後見人の契約 後見監督人の選任により効力
成年後見人等の同意が必要な行為 (同意がない場合には、本人がした契約等を後から取り消すことができる) 本人がした契約は、日常生活に関する簡単なもの以外全て取り消すことが可能です。 民法13条1項所定の行為 (借り入れ、訴訟、不動産取引、相続手続きなど) サポートが必要な項目に限られ、家庭裁判所が個別に決定します。
取消が可能な行為 日常生活に関する行為以外の行為 同上 同上
成年後見人等に与えられる代理権の範囲 財産に関するすべての法律行為 申立の範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」 申立の範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」 任意後見契約による

2 法定後見の申立

判断能力がなくなったり、不十分になったりしたときは、家庭裁判所にその程度に応じて後見人・保佐人・補助人の選任を求める申立をします。

<弁護士に依頼するメリット>

調査、書類作成、裁判所へ申立の一連の流れを全て弁護士が行うことが出来ます。

成年後見人の申立を行う場合、裁判所に対して、戸籍や住民票などの書類や、本人の診断書、財産に関する資料(登記事項証明書等)を提出する必要がございます。個人で取り寄せるには、大変労力がかかると思います。
これを弁護士が代理で行います。

<弁護士費用について>

(申立手続きを行うことへの対価です)

着手金 20万円+消費税(基準額)
預かり実費(※) 5万円~10万円

(※)預かり実費とは、書類の取り寄せ費用、裁判所に納める費用等です。本件の場合、収入印紙、切手、医師の鑑定(但し、必要な場合のみ)の費用をご依頼時にいただきます。

3 成年後見人就任後

<後見人費用>

※ご依頼をいただく方ではなく、後見制度を受けられる方(被後見人)から支払うものです。
=裁判所が報酬額を決定し、 被後見人の預金から支払うことになります。

後見人の報酬

裁判所が報酬額を決定し、被後見人の財産から支払います。

管 理 財 産 額報酬額(月額)
1000万円以下の場合2万円
1000万円を超え、5000万円以下の場合3~4万円
5000万円を超える場合5~6万円

上記の金額は、通常の後見事務を行った場合の基本報酬額です。
遺産分割や訴訟など、通常の後見以外の業務を行った場合は別途費用がかかります。

(参考)名古屋市は後見人の報酬助成制度があります。

(2021年10月現在)

助成対象となる要件

  • 生活保護を受給している方
  • 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律による支援給付を受けている方
  • その他助成を受けなければ、制度の利用が困難であると市長が認める方

「市長が認める方」とは1.から4.のすべてに該当する方です。

  1. 市町村民税非課税世帯
  2. 世帯の年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した額以下
  3. 世帯の預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が1人増えるごとに100 万円を加算した額以下
  4. 世帯員が居住する家屋その他日常生活に必要な資産以外に利用し得る資産を所有していない。
対象となる費用

家庭裁判所が審判により決定した報酬。実費は助成されません。

助成の上限額

助成上限額は、月28,000円です。

任意後見制度

1 任意後見制度とは

任意後見制度とは、判断能力がなくなる前に、判断能力がなくなったときの自分の財産管理・身上監護のあり方について意思を明らかにした契約を後見人の候補者を結んでおき、判断能力がなくなったときは、候補者がこの事前の指示に基づいて後見活動をする場合を言います。

任意後見は、契約ですので、後見の内容を自由に定めることができます。また、法定後見の場合、後見人は裁判所が決めるのに対し、任意後見は、判断能力のあるときに契約するので、後見人の候補者を自分で自由に選ぶことができます。

2 任意後見契約とその流れ

判断能力のなくなったときだけを対象とする任意後見契約と、判断能力のなくなる前の財産管理契約から任意後見契約に移行する契約があります。

以下の①~⑤の流れとなります。

  1. 被保護者と保護者との間で任意後見契約を締結します。
  2. 任意後見契約書を公正証書として作成します。
  3. 任意後見契約の登記(公証人が手続きします。)
  4. 被保護者の判断能力の低下(法定後見程度)した場合、家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立
  5. 家庭裁判所による任意後見監督人の選任とともに任意後見契約が発効します。

<弁護士に依頼するメリット>

専門的な知識に基づき、個別の事案に対応した、公正証書の作成が出来ます。

<弁護士費用について>

着手金 20万円+消費税(基準額)
預かり実費(※) 5万円~10万円

(※)預かり実費とは、切手代、交通費、印紙代、電話代、並びに公正証書作成の為に戸籍・住民票・印鑑証明などの取得にかかる費用等です。 これとは別に、下記の公正証書作成費用が必要となります。

<公正証書作成費用>

任意後見契約の内容によりますが、次を目安として考えてください。

(2021年10月現在)

  1. 公証役場の手数料
    契約につき1万1000円、それに証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます。
  2. 法務局に納める印紙代   2,600円
  3. 法務局への登記嘱託料   1,400円
  4. 書留郵便料         約540円
  5. 正本謄本の作成手数料  1枚250円×枚数

なお、任意後見契約と併せて、財産管理契約をも締結する場合には、その委任契約について、さらに上記1が必要になり、委任契約が有償のときは、1の額が増額される場合があります。

<任意後見人への報酬>

任意後見人の報酬は、法定後見の報酬を参考にして任意後見契約であらかじめ定め、それは公正証書に記載します。

<後見監督人の報酬>

家庭裁判所が報酬を決め、被後見人の財産から支払います。

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