松本篤周弁護士インタビュー
駆け出しのころ「もっと話を聞いてほしい」と言われコミュニケーションの大切さを知りました。
私は、依頼者の方のお話を聞くときに、特に意識してコミュニケーションを図るよう心がけています。そんなふうに気を配るようになったのは、25年前に弁護士になったばかりのころ、依頼者の話の途中で口をはさんでしまい「もっと話を聞いてほしい」と言われることがあったからなんです。
初めて弁護士に相談に来られる方の中には、気持ちが整理されていなかったり、緊張して何を話せばいいか分からないという方も多くいらっしゃいます。ところが、私たち弁護士はいつも裁判をやっていますから、裁判に必要な情報はコレとコレという具合に分かっていますので、それを早く聞き出そうと、つい口をはさんでしまうんです。
若いころにそういう経験をしたことで、依頼者とコミュニケーションを図ることの大切さを知りました。現在、私の相談時間は45分となっていますが、限られた相談時間の中で、できるだけ依頼者の方と意思を通わせることができるよう話を聞き、タイミングよく必要な助言をするよう心がけています。
70歳の男性の安堵の涙が今でも印象に残っています。
私は離婚や借地、借家、交通事故や遺産分割など、おもに個人の事件を多く担当しています。これまでに担当した事件の中でも特に印象に残っているのは、年配の男性からご依頼を受けた日 照権の事件です。70歳の男性が「家の目の前に壁のような3階建ての建物が経ってしまうからどうしよう」ということで、私に相談に来られました。
ご相談者の中には、相手からさんざんいろいろなことを言われて事務所を訪ねてこられる方がいらっしゃいます。そういう方は大変ダメージを受けていて、相手は弁護士でも何でもないのに相手の言うことが正しいと思い込み、半分結果をあきらめてしまっているんです。私が日照権のご相談を受けた年配の男性もそうで、相手の業者からいろいろ言われ、どうにもならないだろうと諦めかけていました。
でも、この事件に関しては勝てそうな可能性があると確信した私は、その男性が納得できるまで、一つひとつ丁寧に「こういうケースがあるから大丈夫ですよ」と説明しました。するとその方はようやく納得してくださって、「本当にですか」と言って涙ぐまれたんです。安堵の涙を浮かべた男性の姿は、今でもとても印象に残っています。
この男性もそうでしたが、もう少し早い段階でご相談に来られたら不安も早く解消できるのに、と思うことがよくあります。みなさん、弁護士に相談するということをあまり構えすぎないでください。最初の相談なら弁護士会の無料法律相談もありますし、当事務所でも数千円の相談料で済みます。こじれてから弁護士を頼るよりも、最初から気軽に相談していただいたほうが解決の道も早く見つかります。
どうぞ気軽に、私たち弁護士にご相談ください。