加藤美代弁護士インタビュー
日常生活の中にも法律のルールがたくさんあります。「変だな、困ったな」と思ったら相談してください。
私が担当する事件は、最近では家事や負債事件などが多いですね。この事務所に入った昭和63年当時は、俗に言う“サラ金地獄”が落ち着いた時期でしたが、その当時から、いつでも負債関係の事件は多いです。サラ金地獄のあとは、バブル期のショッピングローンが払えなくなってしまう問題、その後は、経済不況で解雇された方が住宅ローンを払えなくなるといった問題があり、今は、給料が少ないという問題を抱えている方が多くなっています。負債事件は時代を反映していますね。
世の中の多くの方が、裁判に縁がなく生活するのが普通だと思います。でも、日常生活の中には法律で決められているルールがたくさんあります。だからこそ、何か問題が起きる前の法律相談が大切だと、私は思っています。
うちの事務所も「友の会」という会員制度があるのですが、会員になると、いつでも法律事務所に相談することができ、相談費用も少し安くなります。また、定期的に機関誌をお届けしたり、法廷ウォッチングや法律講座に参加していただける特典などもあります。こうした友の会の活動は“事件になる前に、ちょっと法律のことを知りましょう”という趣旨なんですが、もめ事を未然に防ぐためにはとても大切なことなんですよ。
弁護士は遠い世界の人ではありません。
“かかりつけ医”のような身近な存在です
事件になる前に弁護士に相談したほうが解決しやすい、というのはあると思います。仮に事件になったとしても、最初から相談を受けていれば、どこでつまずいたか分かりますしね。みなさん、弁護士は遠い世界の人間だというイメージがあるようで、問題が起きてゴタゴタしてどうにもならなくなってから、やっと弁護士に相談されるという方がたくさんいらっしゃるんですね。でも、そんなに構えずに、もっと気軽にご相談いただきたいというのが、私たち弁護士の共通の思いです。
みなさんが法律相談を気軽に利用いただけるよう、こんな場合には弁護士に相談するといいですよ、という事例をいくつかご紹介しましょう。
たとえば、なにか契約書を書かなければならないとき、少しでも不安があったら、書く前に弁護士に相談していただけば「ここ直したほうがいいですよ」などのアドバイスができます。
また、借家住まいの方で大家さんとトラブルになった場合なども、弁護士にご相談すると問題がこじれずに済むかもしれません。たまに、独自の判断で家賃を払わなかったりする方がいらっしゃいますが、そういった行為は問題をややこしくしてしまいます。感情で行動する前に、まずは弁護士にご相談ください。
職場のトラブルや心配事も、弁護士にご相談いただけます。よく「会社を退職させてもらえない」というご相談を受けることがあります。離職票や退職金などの手続きのことを心配して、会社を辞められないと思い込んでいる方が多いのですが、そういった手続きは退職後に手当てできますので、心配する必要はないのです。
このように、簡単な法律相談というのはとても大切なんです。私は、身近な法律事務所というのは“かかりつけ医”のようなものと考えています。日常生活の中で、少しでも困ったなと思うことがあったら、すぐに法律相談を利用してくださいね。