憲法

弁護団って知ってる??のりちゃんのノリノリ応援団!

弁護団とは

 多数の被害者がいる事件や被害者数に関わらず社会的意義の大きい事件では、事務所の枠を超えて複数の弁護士で対応することがあるんだ。国や大企業等大きな力を持つ相手と闘うときには、マンパワーの確保も重要だけど、「一緒に闘う仲間がいる」ということも大きな力になるよね。
 名古屋法律事務所の弁護士は、「困っている人を助けたい」「社会をより良くしたい」という思いで様々な弁護団に参加しているみたい。どんな事件があるのかな。

事件概要と現在の様子

ストップ・リニア!訴訟

 リニア新幹線の建設予定地周辺住民が中心となって、国に対し、国土交通大臣が、JR東海に対して行ったリニア中央新幹線の建設工事を認可した行政処分の取消を求める裁判です。国交省の処分が、全国新幹線鉄道整備法、鉄道事業法、環境影響評価法に違反していることを主張し、リニア計画そのものの違法性を問う訴訟です。沿線各地の特色(例えば愛知県では亜炭鉱跡という脆弱な地盤にトンネルを掘るという無謀さ)を、裁判所に訴えています。1審では敗訴していますが、工事が始まると、瑞浪市で水涸れが発生したように、私たちが懸念した事態が実際に生まれています。

生存権裁判(いのちのとりで裁判)

 2013年に厚生労働大臣が生活保護基準を約670億円も削減するとの告示を出し、同年8月から3回に分けて、平均6.5%、最大10%もの生活保護基準の引下げが行われました。生存権裁判は、それらの引下げは生存権を侵害する違憲・違法なものであるとして、全国で各自治体に対しては処分の取消しを、国に対しては国家賠償を求めて争ってきた裁判です。
 愛知訴訟は名古屋地裁では敗訴となりましたが控訴し、2023年11月、名古屋高裁で逆転完全勝訴しました。その後、国と自治体が最高裁に上告し、原告側が上告していた大阪訴訟と同時に判決が言い渡されることになりました。そして、2025年6月27日、最高裁第三小法廷は、厚生労働大臣が生活保護基準の引下げの際に行った「デフレ調整」の判断過程や手続に過誤や欠落があったとして、生活保護法3条、8条2項に違反し違法であると判断し、原告の勝訴が確定しました。名古屋高裁が認めた国家賠償について、最高裁は、破棄しましたが、宇賀克也裁判長は国家賠償を認めるべきとの反対意見を述べています。
 提訴から判決確定までに12年を要し、その間に亡くなられてしまった方も多数います。今後は、最高裁判決をもとに、厚生労働省や自治体に対して謝罪と検証、引き下げられた保護費の遡及支給を求め、速やかに救済がなされるよう、さらなる運動を続けていきます。

安保法制違憲訴訟

 2015年9月の安保法制の強行採決を受けて、憲法9条違反の既成事実の進行を憂える人々が、全国各地で安保法制違憲訴訟(違憲な立法を強行されたことによる精神的損害についての国家賠償請求)を提訴。全国21地裁で24の裁判が係属、原告総数は7254名。
 名古屋では2018年8月に143名が提訴。当事務所の松本弁護士が弁護団事務局長。各地の判決は、「平和的生存権には具体的権利性がない」「権利侵害の現実的危険性がない」などとして憲法判断を避ける門前払い判決。2024年3月名古屋地裁一審判決も、同様に請求棄却。現在全国で、高裁レベルで残っている訴訟は名古屋と東京の「女の会」訴訟のみ。両訴訟とも、今年度内に判決が出される予定。弁護団は8人の学者などの証人を申請して、初の違憲判決を目指して最後の奮闘中です。

大垣警察市民監視事件

 大垣警察署警備課の警察官が中部電力の子会社との間で、市民4名に関する個人情報を交換していたことが明らかになった事件。昨年9月に、警察による情報提供はもちろん、情報収集活動自体も違法であるとして、岐阜県に対し損害賠償を命じるとともに、保有している個人情報の抹消も命じた名古屋高裁判決を勝ち取りました(確定)。裁判は終了しましたが、判決で命じられた情報の抹消を警察が本当に履行しているのかを確認するとともに、警察による市民監視を厳しく批判した名古屋高裁の判断を生かす活動に取り組んでいます。

明日を生きるための若者気候訴訟

 16名の若者が、株式会社JERAなど火力発電事業10社に対して、科学が求める水準に基づいてCO₂排出の差し止めを求めて、2024年8月に名古屋地裁に提訴した裁判です。世界の平均気温の上昇を産業革命以前の1.5度以内に抑えるというパリ協定で確認された目標を日本で実現するために、最大のCO₂排出事業者である発電事業者に対してCO₂の削減を求める、日本で初めての本格的な気候訴訟です。全国から弁護士が結集しています。

年金減額処分取消訴訟

 この裁判は、今から10年前の2015年に、全国で足並みを揃えて提訴した憲法訴訟です。
 裁判の内容は、デフレ時代に減額しなかった年金について、当初はインフレに変わったときに調整すると約束していたのに、その約束を一方的に破棄して減額を強行したことは、憲法25条や29条に反し許されないと訴えたものでした。
 最高裁まで争いましたが、残念ながら訴えは認められず、今は裁判外の運動で、老後に安心して生活できる年金制度への改革を求めているところです。

名張毒ぶどう酒事件

 1961年3月28日、三重県名張市葛尾の公民館で行われた懇親会で、毒入りのぶどう酒を飲んだ複数の女性が死傷した事件です。犯人とされた奥西勝さんは、第1審で無罪、控訴審で逆転死刑判決となりました。2005年には再審開始決定されるも、取り消されました。
 勝さんは2015年に獄中死され、現在は妹の岡美代子さんが遺志を引き継ぎ、現在、弁護団は、第11次再審請求のために奮闘しています。

【相談無料】法律のことについて、身近に相談できる人はいますか? 名古屋法律事務所では、弁護士による無料法律相談会を毎月実施しています。詳しくはこちら

名古屋法律事務所への法律相談・お問い合わせは

名古屋駅052-451-7746 みなと事務所052-659-7020  みどり事務所052-629-0070

受付時間:月〜金 9:00~17:30 土曜日・夜間の相談ご予約OK

相談予約・お問い合わせ