憲法
「オペなしで!「俺」になりたい裁判」申立てのご報告
弁護士水谷陽子
2021年10月4日(月)、浜松市のトランス男性鈴木げんさんの性別取扱い変更を求める審判を予定どおり申立てることができました。
「オペなしで!「俺」になりたい裁判」(俺裁判)と名付け、公益訴訟支援サイトcall4でも、裁判資料の公開や進捗報告を行っています。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000075
■申立て
審理を行うのは、静岡家庭裁判所浜松支部です。
申立書と様々な証拠書類を提出しました。
証拠は、申立書記載の主張を裏付けるため、申立人鈴木げんさんに関する証拠や、トランスジェンダーをとりまく状況、他のトランスジェンダー当事者の手記、治療に関する医学的な文献、国内外の議論を示す資料などを提出しました。
正確な枚数はわかりませんが、およそ2000ページにわたる資料を裁判所に提出しました。
証拠のうち、申立人鈴木げんさんの陳述書は追ってcall4にて公開予定です。
■記者会見
申立て後、多数のメディアに取材を頂きました。ありがとうございました。
(左から、本多弁護士、堀江弁護士、当事務所の弁護士水谷陽子、申立人鈴木げんさん、パートナーの良子さん、藤澤弁護士、渡邊弁護士。手前はクマ)
毎日新聞『手術なしでも性別変更を 「外見、中身変わらない」 浜松の鈴木さん、家裁申し立て /静岡』
手術なしでも性別変更を 「外見、中身変わらない」 浜松の鈴木さん、家裁申し立て /静岡 | 毎日新聞 (mainichi.jp)
NHK『「手術なしで性別を男性に変更を」静岡家裁浜松支部に申し立て』
「手術なしで性別を男性に変更を」静岡家裁浜松支部に申し立て | ジェンダー | NHKニュース
静岡新聞『手術なしで性別変更を 静岡家裁浜松支部に申し立て 戸籍要件「違憲」訴え』
手術なしで性別変更を 静岡家裁浜松支部に申し立て 戸籍要件「違憲」訴え|あなたの静岡新聞 (at-s.com)
東京新聞『戸籍上の性別変更を申し立て 手術せず、静岡家裁支部に』
戸籍上の性別変更を申し立て 手術せず、静岡家裁支部に:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
■今後の進行
弁護団から、裁判所に以下の内容で補充書や追加証拠を提出する予定です。
・国内の議論状況について
(関東弁護士会連盟の開催したシンポジウム報告や、本件事件の報道、賛同の声を反映した主張を行います)
・国外の議論状況について
(他国の立法や司法の動きを補充します)
・トランスジェンダーのおかれている社会的状況について
(長らく性的マイノリティを支援する活動に取り組んできた方からお話をうかがいます)
・生殖腺除去手術の身体的負担について
(医師などに手術の負担についてお話をうかがいます)
・憲法学者意見書
(憲法学者らに特例法に関する意見書の作成を依頼します)
こうした裁判活動は、皆様からのご支援に支えられています。
数々のご支援感謝致します。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。