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国民救援会中村支部の大会が開催されました
8月8日、国民救援会中村支部の大会が開催されました。
当事務所の弁護士も会員で、弁護士酒井が中村支部の支部長を務めています。
■国民救援会とは
国民救援会は、戦前、治安維持法の弾圧犠牲者の救援活動を行うべく結成されました。
戦後は、日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤として、全国各地で数々の弾圧事件や冤罪事件の支援に取り組んでいます。
■講演「ジェンダー平等を目指して」
支部大会の前半では、記念講演「ジェンダー平等を目指して」というタイトルで弁護士水谷が講演しました。
そもそもジェンダーってどういう言葉なのか、日本にはどういう不平等があるのか、不平等をなくしていくには法的にはどんな処方箋があるのか、というお話をしました。
不平等の実態については、ふんだんに統計資料をつかってご説明しました。
一例を紹介します。
(以下のグラフは、いずれも内閣府『男女共同参画白書 令和3年版』から引用しています。)
これは、女性が第1子を出産する際に、働き方に変化があったかという観点の資料です。
平成時代の変化に着目すると、第1子出産にあたり育休を利用して働き続けられる割合が増えていることが分ります!社会の進歩ですね。
一方で、出産前から働いている女性のうち第1子出産を機に退職している割合を見てみると、少しずつ減ってはいるものの、まだ働く女性の半数近くを占めていることがわかります。
本人がそう望むのであればいいのですが、そう望む方が果たして半数もいるのか、、、???
そこで、本人の希望以外の要因があることがわかるのが、次のグラフ。
こちらは女性が職業を持つことへの社会意識のグラフです。
「子どもができても職業を続ける方がいい」という割合は年々増えていますね。
でも一方で、「女性は職業をもたないほうがよい」「結婚するまでは/子どもができるまで職業をもつ方がいい」「子どもが大きくなったら再び職業をもつ方がいい」(=子どもが小さいうちは働かない方がいい)の合計は、2019年時点で男女ともに30%を超えています。
出産をきっかけに退職する女性の多さは、こうした社会意識(女性に向けられるプレッシャー)を反映しているのではないでしょうか。
このように様々な統計を使い客観的な事実を共有することを出発点に、働く場面、家庭での役割、暴力被害、政治参加といった観点からお話しました。
なるべく年代による変化がわかる資料を使用して、現在の課題を指摘するだけでなく、前向きな変化が起こっているという側面もとらえて、「社会は変えられる」という希望が見いだせるように心がけています。
■支部大会
支部大会の冒頭で、弁護士酒井が支部長としてあいさつをさせて頂きました。
オリンピック開催にあたり様々な場面で人権を軽視する姿勢が見られたことを指摘し、人権に根ざして冤罪や弾圧とたたかう救援会の重要性についてお話し、2021年度の取り組みも頑張っていきましょうと会員の皆さんを励ましました。
■閉会のあいさつ
酒井弁護士のあいさつの後、2020年度の振り返り、2021年度の活動予定を採択し、なんと最後の閉会のあいさつも当事務所から。
当事務所事務局長でもあり、救援会中村支部の役員でもある徳永さん。
「他の支部の大会では樽井弁護士がデジタル監視法についての講演を行いました。うちの事務所はいろんな弁護士がいるのでどんどん使ってください」と閉会の言葉なのか事務所の営業アピールなのかわからないあいさつ。
頼もしさとおもしろさで、みんな笑顔になりました。
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当事務所は「敷居の低い、市民のためのかかりつけの法律事務所」を理念に掲げ、来年で創立40周年です。
通常の法律業務はもちろん、市民の皆さんが人権のためにたたかう場面でも、かかりつけとして奮闘してきました。
コロナ禍で活動の仕方には様々な制限がありますが、今後も皆さんにとってかかりつけとしてお役に立つよう、所員一同頑張ります。