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【法律コラム-3】労働審判制度について 弁護士 柴田幸正

1.労働審判制度とは?

 労働審判制度とは、個々の労働者と事業主との間に生じた法的なトラブルについて、裁判所を通じて迅速かつ柔軟な解決を目指す制度であり、平成18年4月に新設されました。労働審判制度は、あくまでも個々の労働者と事業主との間に生じたトラブルを解決するための手続ですので、例えば、労働組合と会社との紛争を解決したい場合、あるいは集団解雇など、多数の労働者と事業主との間のトラブルを一度に解決したい場合などは、労働審判による解決は困難であり、通常の裁判手続によることとなります。
 なお、2009年12月現在、愛知・岐阜・三重の3県の裁判所のうち、労働審判を申し立てることができる裁判所は、名古屋地方裁判所・岐阜地方裁判所・津地方裁判所のいずれも本庁のみです。現在、豊橋などの地裁支部でも労働審判の実施が検討されているようですが、実現には至っていません。

2.メリット
 2-1.迅速な解決
 (1)通常の裁判では、訴えを提起して、被告から簡単な答弁書が届いて、その後詳細な準備書面が届いて、今度は原告から反論の準備書面を出して…というように、事実関係や法律関係の対立を書面のやり取りを通じて浮かび上がらせることによって、裁判官に判断の材料を提供していかなくてはならず、そのやり取りだけで半年から1年以上を要する場合もあります。
 (2)他方、労働審判は、原則として、申立の日から40日以内に第1回の審判期日が指定され、特殊な事件でない限り、3回以内の期日で紛争解決が図られることになっています(労働審判規則13条、労働審判法15条2項)。
 (3)このように、労働審判は3回以内の期日の間に紛争解決が図られることになるので、原則的には、第1回期日までに当事者双方から提出された申立書・答弁書及び証拠、更には審判期日当日に当事者双方から聴取した事情を基礎にして、労働審判委員会(裁判官1名と、一般の方から労使双方の代表として推薦された労働審判員が労使1名ずつ、合計3名で構成される合議体)が早期に解決の方向性を示すことになります。
 つまり、当事者としては、第1回期日までに、自己の主張の内容を整理して労働審判委員会に伝えられるように事実関係を整理して書面等を準備なければならず、そうでなければ、あれよあれよという間に不利な方向に話が進んでしまった…なんていうことにもなりかねないのです。
 (4)なお、事実関係・法律関係が複雑であったり、当事者が多数にのぼる事案など、労働審判に適さないと判断された事件については、法律の規定によって審判手続を終了させ、通常の裁判に移行させることもできます(労働審判法24条)。

 2-2.柔軟な解決
 (1)労働審判手続は、通常の裁判と異なり、調停(話し合い)による紛争解決を基本としています(労働審判法1条)。
  ですから、そもそも話し合いによる解決を当事者双方が当初から一切望んでいない場合は、労働審判手続によるよりは、通常の裁判手続を通じて紛争解決を目指した方が良いでしょう。
 (2)そして、労働審判手続において、調停による紛争解決が試みられたものの、それが適わないと判断され、なおかつ労働審判によって解決することが適当であるとされた場合に、「審判」という形で紛争解決が図られます。
  なお、労働審判委員会が下した労働審判に対して不服がある場合は、労働審判所の送達を受けた日又は告知を受けた日から2週間以内に、裁判所に対して異議申立てをすることができ、この異議申立てによって、手続は通常の裁判手続に移行します(労働審判法21条1項・22条1項)。

3.もしものときは?

 以上のように、労働審判制度は、個々の労働者と事業主との関係における法的な問題について迅速・柔軟な問題の解決を図るため、用意されている制度です。
 そして、希望する解決への道筋を付けるには、第1回期日までにどれだけまとまった主張ができるか、というのが鍵となってきます。そこで、法律の専門家である弁護士の出番です。
 もし、労働審判制度を利用して問題解決を図りたい、という方は、ぜひ一度当事務所の弁護士にご相談下さい。

弁護士 柴田幸正

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