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スクールロイヤーを知っていますか?

1 スクールロイヤーとは?

 文科省では、いじめ問題について法律の専門家である弁護士の知識や経験を活かして、いじめの予防や解決につなげるため、スクールロイヤーの導入に向けて検討を始めています。

 スクールロイヤーは、学校で起こる様々な問題、例えば教員による子供への体罰や不適切な言動の問題、学校内での子どもの事故、LGBTへの性差別、保護者からの不当なクレームや近隣住民との問題、教員間でのパワハラやセクハラなどへの法的な対応、予防、解決について対応する弁護士です。

2 スクールロイヤー勉強会に参加して

 愛知県弁護士会子どもの権利委員会においても、子どもに寄り添うスクールロイヤー制度について対応すべく、勉強会を行っています。

 平成31年1月12日、私は、教職員による保護者対応に関するスクールロイヤー勉強会に参加してきました。講師は、大阪大学人間科学研究科教育制度研究室小野田正利先生です。

 小野田先生によると、保護者への対応において重要なことは、クレーム・苦情をトラブルに発展させない、難しいトラブルの解消・解決は少しずつ行うことだそうです。

 また、「モンスターペアレント」という言葉は、一方的な認識傾向に拍車をかける以外の何物でもないため、小野田先生は一貫してこの用語の使用を慎むように訴え続けておられます。

 勉強会では、ビデオ上映を行い、①生きづらさや葛藤を抱えている保護者への対応、②違法行為・不当要求への対応、③問題が別にある場合への対応、という3つのケースについて解決に向けての具体的視点や方法について説明がされました。

 小野田先生のおっしゃるエッセンスは、相手を困った人としてとらえるのではなく、困っている人ととらえる。しかし、相手を100パーセント受け入れるのではなく70パーセントの力で人の話を受け止め、自分の心を動かす余裕を持っておけば、怒っている相手だけではなく、その人が怒っている理由が見えてくる。教職員は相手への接し方を工夫し冷静に対処する。というものでした。

 これは、弁護士の業務全てにも通じることだと思います。私は、弁護士として行政から法律相談を受け、行政側の代理人として市民と面談することがあります。そこで、ビデオと同様なケースに遭遇したことがあり、思わずうんうんとうなずいてしまいました。

 弁護士も人を相手とする職業ですので、今回のテーマであるクレーム・苦情に限らず備えるべき対人スキルという点で参考になる点が多くとても勉強になりました。

 また、今回のテーマは、保護者への対応でしたが、スクールロイヤーは、保護者対応にだけ目をとらわれ、子どもの権利擁護の視点が欠けることのないよう、常に子どもの気持ちを優先して問題にあたらなければならないことはいうまでもありません。

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