|
12年間担当してきた名古屋南部あおぞら裁判が、8月8日、企業、国との間で全面的に和解解決しました。89年3月の1次提訴以来12年4ヶ月、道路公害の差止を認めた昨年11月の1次訴訟の画期的勝利判決から8ヶ月後の解決です。
和解解決の道のりは平坦ではありませんでした。提訴以来10年を超え、ただでさえ思い呼吸器の病気を抱える原告の人たちは高齢化し、提訴以来1次から3次まで290名余りの原告の内、すでに100名を超える方が喘息などの病気が原因で亡くなっていました。「命あるうちに解決を」を切実な課題となっていました。
被告企業との間では、2000年11月27日の1次判決当日に10社との統一交渉を実現させ、深夜に及ぶ集団交渉の結果、2次、3次を含めて早期全面解決をするよう努力する旨の確認書を取り、その後中少規模の交渉を積み重ねて、今回の合意に至りました。解決金額は総額15億2000万円、患者1人あたりの平均で578万円、街づくりへの協力などを含め1次訴訟判決の水準を大きく上回る金額を勝ち取ることができました。和解条項には、これまで非公開だった被告工場の排煙の排出量などの情報を今後地方自治体を通じて公表するという条項が盛り込まれ、今後公害のない街づくりを進めていく上で重要な成果を勝ち取ることが出来ました。8月8日当日の和解に先だって午前中に解決式を行い、企業は、大気汚染物質の排出により地域環境を悪化させたことについて「責任を痛感し誠に申し訳ない」とし、患者の皆さんが公害病に認定され、苦しんでいることについて「重く受け止める」との声明を読み上げ、10社の副社長らが頭を下げました。
他方、国については、原告らは判決前の2000年9月に道路対策の要求である「大気汚染公害患者の救済と道路公害根絶のための国・地方公共団体に対する当面の対策」と提出していましたが、差止を認める11月勝利判決は、国を緊急対策をとらざるを得ない状況に追い込みました。国は5省庁連絡会議を開き、今年3月に「当面の名古屋南部地域の道路環境の緊急重点対策」と題する「当面の対策」を発表しました。原告らはこれを受けて、5月末頃に原告側の具体的な和解条項案を提示し、原告団弁護士を中心に、企業との同時解決をめざして精力的に交渉を進め、7月末まで合意を得るに至ったのです。和解条項には、国道23号などの大型ディーゼル車などの交通量の削減を正面から取り上げ車線削減の検討を約束させ、沿道に環境施設体(植樹帯など)の設置、低公害車の導入促進等自動車排ガス低減対策、総量削減計画の作成の住民の意見の反映、交通需要管理計画(TDM)の作成、健康影響評価の実施、測定局の大幅な増設などを約束させ、更に道路沿道の環境改善と和解条項の実行の点検のために原告と国(国土交通省、環境省)の連絡会を設置することが決まりました。12年の闘いの成果を生かし、名古屋と日本に本当の青空を取り戻すまで、取り組みは続きます。最後になりましたがこれまで100万人署名にご協力いただいた会員の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。(2001/9 記)
|