| 瀬戸愛治(愛正)病院事件《続報》 「新規開設」理由に解雇 |
| 会報五四号でお知らせしたように、瀬戸市にある精神病院の愛治病院(その後「愛正病院」に名称を変更)では、早川ア井院長の不当労働行為による解雇について、地労委、裁判所で解雇無効の判断が下され、組合員の池間豊さんと西尾美沙子さんは職場復帰を果たしました。早川院長は、臨床心理、ケースワーカーである2人に看護助手への配転を命じるなど組合差別を続けてきましたが、今年になって早川病院長が病気のため入院すると、鬼頭副院長が経営を代行するようになりました。病院では給食業者とのトラブルから、患者への給食が菓子パンと冷凍弁当になるなど患者へのしわ寄せが続き、組合は患者の権利を守る立場から、鬼頭副院長に対して患者の待遇改善を要求してきました。 ところが、本年8月3日早川院長が病気により死亡。これをうけて早川院長の相続人である早川友子氏は全職員に対して「病院を廃院するので、雇用関係は終了し、ないしは解雇する。鬼頭院長が開設する“しなのが丘病院”に応募して下さい」と通告すると同時に、鬼頭院長は愛正病院の職員を対象として、“しなのが丘病院”の職員募集を行いました。しかし、もともと“しなのが丘病院”は、愛正病院の建物、患者、医師、取引業者をそのまま引き継いで経営されるものであり、新規開設ではありません。従って、本来職員の「新規募集」などという形態は、職員の選別的解雇の手段に過ぎず許されないものです。結局鬼頭院長は、組合員二名のほか、二〇数名の職員を差別的に不採用としました。これは不当労働行為の再現であり、許せません。これに対して、不採用となった池間、西尾の両氏とその他の職員は、鬼頭院長に対して、「不採用は解雇であり、解雇には理由がなく無効」として、名古屋地裁に地位保全の仮処分を申請しました。 実態は事業が継続しているのに、従前の会社を消滅させて、従前の社員の一部を新会社へ「新規採用」し、他の社員を「不採用」という形で解雇する手法は、国鉄分割民営化以来、不当労働行為に使われるようになった手法ですが、このような形式を口実にした不当解雇は絶対に許してはならないと思います。 (弁護士 松本篤周) |