中部電力人権裁判解決
「職場に憲法を!」の旗を掲げて

中部電力人権裁判争議団団長 後藤幸雄

 名古屋地裁に提訴後、名古屋高裁職権和解(割項参照)による争議解決まで22年5カ月18日(日数=8202日)の永きにおよんだ中部電力人権裁判の闘いを注目し、支えてくださった名古屋法律事務所「友の会」の会員はじめ全国の皆様に厚くお礼申し上げます。
 本当にありがとうございました。

職場に憲法を!長期裁判闘争の実践

 私たちは次の四点を活動の柱としてきました。
一、闘う争議団の団結
 長期の苦難に満ちた闘いの中で一名の欠落もなく争議を成功裡に終結できた。
二、法廷・社会・職場活動の三結合
 時々の重点活動は当然のことであるが、常に三結合を念頭において活動した。
三、自覚的・自主的な活動
 争議団員の一人ひとりが、自分の受けた「差別・迫害」は、絶対に許せない。「何としても撤廃させる」との信念。
四、弁護団・支援共闘組織との協力共同
 法廷も運動も、弁護団・支援組織に一方的に依存せず、一体となって実施してきた。

人権裁判闘争で学んだこと
 私たちはこの闘争を通して、多くを学びました。
一、大企業の職場で働く私達は「井の中の蛙、大海を知らず」で過ごしてきましたが、争議の必要に迫られて各所を訪問し、支持要請する過程で多くのことを学んだ。また、各界・各層・各争議団の人達と知り合い親交を深めることができた。
二、人権争議の性格から「日本国憲法・労働基準法・労働組合法」国連「人権宣言・人権規約・ILO条約」等を再学習できた。
(一・二は、隣近所から国際活動までの運動実践の結果として)
三、憲法を言葉の上でなく実践的に学んだ。
 「第一二条 この憲法が国民に保証する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」

 私達争議団員は、人権争議によって会社に非を認めさせ、「処遇の是正、将来にわたって公平に扱う」約束だけでなく、憲法の精神は「不断の努力によって、これを保持」することを実践で学ぶことができました。
 ありがとうございました。

勝利的和解!その内容は……

 新聞やテレビ報道で、すでにご存知のことと思いますが、昨年11月12日、中部電力人権争議は名古屋高等裁判所の和解勧告を争議団、会社の双方が受け入れ、勝利的に解決しました。
 和解内容で特筆すべき事項を述べますと、
 一、原告にとどまらず、原告と同じく思想差別、迫害を受けていた非原告争議団も含めての解決である。
 二、在職者の基本給や職級等の処遇是正を男女とも同一基準で行う。
 三、退職者に対する厚生年金の是正を行う。
 四、会社が将来にわたって他の従業員と公平に取り扱うことを約束させる。
 五、会社の謝罪表現はないが「人権侵害・思想差別撤廃」との訴訟名および「一審での一部勝訴」を和解文に明記した。
 六、解決金は一審判決を上回る一五億円とする。

 など、一昨年3月の名古屋地方裁判所の一審原告勝訴の内容を大きく上回っています。