| 返してください ヤマギシの村に入れられた孫を |
| 弁護士 松本篤周 | |
ヤマギシでは両親が村人になることにより、幼い子ども達も自分の意思と関係なく、両親といっしょに村人にさせられてしまうケースがたくさんあります。 子ども達は、朝食を与えられず、親とも別々に生活し、外部に出られるのは小中学校に通学するときだけという生活を強いられ、日常的には「世話係」と称する村人が「親代わり」になって子ども達の面倒を見ますが、世話係による体罰や閉鎖的な社会の中で、子ども同士のいじめもあり、さらに中学校卒業後の進路は事実上ヤマギシの中で農作業などに従事するみちしかなく、将来に希望がもてない状態です。 「親権の喪失」を訴え このようななかで、Sさん夫婦が、息子夫婦とともにヤマギシに入れられてしまった二人の孫(現在小学校三年生と六年生)について、「両親の親権を喪失させて、祖父母を監護権者とせよ」という訴えを津家庭裁判所に起こし、私と兼松弁護士が裁判を担当しています。 「親権の喪失」とは、親の子どもに対する養育のあり方が著しく子どもの福祉に反すると認められる場合に、子どもを守るために裁判所が決定によって、親から子どもを養育、監護する権利を奪う手続きです。 ヤマギシに対しては全国的に数件の親権に関する裁判が起こされており、札幌地方裁判所ではヤマギシに入村した妻に対して、入村していない夫からの親権者変更の訴えが認められた例がありますが、全国的にはまだ祖父母からの訴えを認めた例はありません。 子どもの人権を侵害 Sさんの孫からは「早くおじいちゃんやおばあちゃんの家に帰りたい」という手紙が学校を通じて寄せられていましたが、ヤマギシの側は学校を通じての手紙のやりとりを発見して禁止してしまいました。朝食もとらせない、手紙のやり取りも禁止する、進路の選択も許さない、体罰を加えるなどというヤマギシの実態は子どもの権利条約にも違反し、子どもたちに対する重大な人権侵害です。 小中校の設立を申請 ヤマギシは、これまで以上に子ども達に対する管理をやりやすくするために、最近になってヤマギシ自身の小中学校を設立するための認可を求める申請を三重県に提出しました。子どもたちにとって唯一の社会との接点であった学校からも子ども達を隔離してしまおうというヤマギシのたくらみを許してはならないと思います。 |
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