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憲法について学ぶ

本年7月15日、当事務所において、当事務所の若手弁護士3人が講師となって、主に弁護士以外の職員向けの憲法の学習会が開かれました。
憲法が、「1人1人に違いがあることを認めた上で、1人1人の存在価値を認める」という「個人の尊重」という理念に基づいていること、法律が、国民の行動を規制するものであるのに対して、憲法が、国などの公権力の行為に歯止めをかけるものであることなど、憲法の基礎中の基礎の部分について分かり易い解説がなされました。
とくに、講師自身の生い立ちと関連させて「個人の尊重」の解説をするなど、憲法について学ぶことが初めての人にも興味を持ってもらい易いように講義の内容が工夫されており、大変感心しました。

皆様もご存知の通り、本年7月10日に参議院議員通常選挙が行われました。
そして、この選挙によって、衆議院、参議院共に「憲法を変えた方が良い」と考える議員の人数が、それぞれの総議員の3分の2の人数を越えることになりました。

日本国憲法第九十六条
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

 

この条文は、「権力者が暴走しないように縛る」という憲法の重要性から、簡単には改憲できないように、国会の発議と国民投票という二重の厳重なハードルを設けているのですが、今回の参議院議員選挙の結果「憲法を変えた方が良い」と考える国会議員が両議員とも3分の2を越えたため、「憲法をこのような内容に変えたい」と提案をすること(国会の発議)が可能な状態になったということです。
しかし、あくまでも、憲法をこのような内容に変えたいと「提案」できるだけであり、国民投票での過半数の賛成がなければ、その提案通りに憲法が変わることはありません。
つまり、最終的には、私たち国民に、憲法を護るか、変えるかの判断がゆだねられることになるのです。

いろいろな考え方があるとは思いますが、私は、少なくとも、国民が皆、憲法について様々なことを学んだ上で国民投票がなされるべきだと考えています。したがって、冒頭で述べたような学習会を行っていくことはとても大切だと思いました。
先月23日にイギリスで行われた欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票の結果は、世界に大きな衝撃を与えましたが、未だにたくさんのイギリスの人々が国民投票のやり直しを求めているとのことですが、国民投票の結果を覆すことは困難だと思われます。
後で取り返しのつかない事態に陥らないよう、憲法改正の国民投票が行われることに備えて、皆で憲法についてしっかりと学び、議論していきましょう。
そのために、当事務所の弁護士がお役に立てることもあると思いますので、「憲法に関する学習会の講師として来て欲しい」などのご要望があるときには、お気軽にご連絡いただきますよう、よろしくお願いいたします。

弁護士 酒井寛

この記事の担当者

酒井 寛
酒井 寛
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